病気になってもいっぱい遊びたい

私達は、病院で子どもと遊ぶボランティアです。退院してからも出会いの場を大切にしています。

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泣いていた子に向き合うボランティア

2010年1月23日(土)

今日は手がつけられないくらい泣いていた女の子のお話です。

土曜日は活動を始める前に看護師さんから遊べる子どもの申し送りを受けます。

それからコーディネーター(坂上・坂本)が病室を一巡。

するとベッドで激しく泣きじゃくっていた女子がいました。

声をかけると首をふって「ママ、ママ~、ウワ~ン。ウワ~ン」

小児病棟にはこうした子どもが少なからずいます。お母さんが付き添えずまだ病院に慣れていないのです。

「嶋田さん、すみませんが、このお子さんをみてください」

「わかりました」

嶋田さんが近寄ると子どもは一層激しく泣きました。

子どもの喜びそうなアンパンマンのキーボードや絵本、楽器などを見せてもイヤイヤ。首を振りながら。

「お名前はなんていうの?はなちゃんかな?」

「ううん」

「ゆりちゃかな」

「ううん。

「…りさ」

「まあ、りさちゃんていうの。かわいいお名前ねえ」

「お歳はいくつ?」

すると指を2本立てて見せながら「ママがいい。ママがいいの」と泣きじゃくり。

島田さんはりさちゃんが質問に答えてくれたことで、そばに近づくことを許してくれることを感じ、頭をなでてあげました。そしてベッドの上にあった絵本「がんばったきみ」を読んであげました。

するとだんだんにひゃっくりもおさまってきました。

やがてりさちゃんは島田さんに背中をトントンされてウトウト。朝からずっとママを待って我慢していたので疲れてしまったのでしょう。それでもときどきはっとして泣きだし、背中をトントンされてまたうとうと、そしてとうとう寝ました。

遊びのボランティアはいつでも子どもと遊んでばかりではありません。ときにはこんな関わりもあります。

島田さんは40年保育園に勤務されていた保育士です。退職後ご自分の経験を生かしたいと来てくださいました。多彩な人々に支えられているガラガラドンのひとこまです。 コーディネーター坂上