病気になってもいっぱい遊びたい

私達は、病院で子どもと遊ぶボランティアです。退院してからも出会いの場を大切にしています。

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医学生ボランティアの声

私は昨年夏からガラガラドンに参加させていただいております。医学を学んでいる学生です。活動参加のきっかけはホームページを拝見したことです。

小学校2年生のときから高校卒業までの間、こども病院に患者として通っていた私ですが、その間高校1年生の冬、入院経験でとても閉鎖的な病棟を体験しました。もっとも、入院した期間は1カ月程度でしたが、手術を受け気が滅入り、家からも遠かったので家族もほぼ不在な状況での病棟というのはとても息苦しく、手術した足を見ては惨めな気持ちになっていました。

なので、ガラガラドンを知った時は、とてもうれしかったと同時に驚きました。私の入院先にはボランティアの方はいても病棟内には入って来られなかったように思います。ですからベッドサイドの活動や、平日や夜間や毎週土曜日の頻繁な定期的な活動があることにも驚き、ましてや感染症のこどものそばに看護師さんと同様にガウンやマスクをつけて遊んだり、抗がん剤の治療を受けている厳しい状況の子どものクリーンルームで遊ぶなどは考えられませんでした。

実際に活動に参加させてもらうと、みんなそこにいるのは病気のはずで手や足には点滴が入っていたり、辛い治療を受けている途中だったりしますが、それでも遊んだり、おしゃべりしたり、とてもいきいきとしていいます。

16才で弱音を吐いていた自分には考えられません。遊びに夢中になって病気のことを忘れられる一瞬は入院治療でストレスのたまったこどもさんにとって心の栄養になっていると思いました。

また、自分から遊んでと言えない障害のある子どもに絵本を読んだり、キーボードを弾いて歌を歌ってあげたりします。小さな赤ちゃんはそばであやしてあげたり、抱っこしてあげるだけもあります。赤ちゃんは抱かれると泣きやんだりします。赤ちゃんと触れる機会がほとんどなかった私にはとっても新鮮で、赤ちゃんから返ってくる声や反応は、とてもふわふわした気持ちにさせてくれるうれしいものです。

最初は緊張しながら参加しましたが、今では自分がこどもたちから楽しませてもらっています。そして私が入院していたあの時も誰かこんな風にそばにいて話し相手になったりゲームの相手になってくれたりしていたらと、つくづくと思いました。

私の学ぶ大学の付属病院では、全国からの多くの小さな患者さんたちが入院されています。でもベッドサイドで遊ぶボランティアはいません。そこで、せっかくガラガラドンで学んだことを付属病院でも実践したいと思いました。 実現するのに課題は多いのですが遊びのボランティアは患児さんにとっても付き添いの方にとっても、大きな支えになります。なによりこのようなボランティアをさせて頂くことは医学生の私たちにとって、患者さんの目線にうんと近づけるいい経験になると考えています。考えも詰めも甘い学生ですが付属病院でのボランティアの立ち上げ交渉をがんばって具体的なものにしていきたいです。 医学部医科学科3年 T・T