泣きたくなっちゃう 事務局の仕事 「会計」
4月20日(火曜)
「ああ、やっちゃったかも・・・」、会計ソフトを打ち込んでいた岡部さん。頭を抱えながら・・・。
「ん?どうした?」
保存、失敗。古いデーターを上書きしちゃったみたい」
「ってことは?」
「今日やった分、ぜんぶ、パア、今日のだけじゃない、3月分全部」
「・・・」
パソコン内、探しても、探しても、打ち込んだデーター見つからず・・・
失った数字は土日を返上して、3日がかりで打ち込んだもの。
「しょうがいない、もういい、ごはん食べよう。パソコン相手はこういうことってあるよね」
気を取り直す言葉が口から出るまでにしばらくかかった。
夕飯の箸に手をつけたのが22時。ため息つきながら食べるごはん。
NPOの仕事を「中小企業の社長並み」と言った人がいるがこのNPOはそれ以上じゃないかと思うことがある。
日ごろのコーディネーターという仕事、病人相手に無償のボランティアを頼む。あっちに気を使い、こっちにありがとう、すみませんと頭を下げ、病院にも気を使うデリケートな現場。でもその現場ばかりが仕事ではない。裏方を支える事務局がいつも火の車。中でも会計が一番厄介で気をつかう。NPOは助成金と寄付頼み。事業ことに使途が決まっていてレシートは、事業ごとに仕分けていく。コピー1枚、10円のレシートも打ち込んでいく。
毎年、今ごろは5月の総会を控え、連休も遊んだ記憶がないほど追いつめられる多忙さ。たとえば、
①総会の日程を理事会で決めたら、②会議室を予約して、③年度の事業報告のために会計を出します。④それを収支計算書と貸借対照表と財産目録に書いて、⑤監査役に目を通してもらい、⑥そのうえで事業計画をたてる、こんなことを一気にやるのがこの4、5月。
今回のハプニングは③の段階でおきた。
岡部さんは自分の会社の仕事が終わって来る。もちろんボランティアで。
彼女がパソコンに前に座ったのは19時。
一方、この日は朝10時からもう一人のボランティアMさんが事務局にきて私たちは
日中、今年度事業計画書を練っていた。
岡部さんが来たことろは、二人ともへとへと、おなかもすいていた。
会計終わっから気持ちよく食事をしようと食事を後回しにしていたところに、
ことの顛末。
「だいたい、こんな環境で仕事をしてたらミスもするわな」とMさん。
といって、専任の会計や有給スタッフを増やすゆとりはないし、
気を取り直して、よろよろと立ち上がった。 NPOは貧乏と忍耐と辛抱の連続・・・
理事長 坂上