病気になってもいっぱい遊びたい

私達は、病院で子どもと遊ぶボランティアです。退院してからも出会いの場を大切にしています。

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手紙 わが子の入院生活を経験して

4月20日(火)1通の手紙がきました。

前略 坂上和子さんの「病気になってもいっぱい遊びたい」を読んだ読者です。

私は現在、小学校4年と1年生、2児の母です。実家は四国で近所に親戚も知り合いも

いません。20代で上京し、結婚し、今は家族4人暮らしです。

今年1月下旬に下の子どもが都内の病院に腹痛で入院しました。

しばらく原因がわからず検査と腹痛に耐えていました。ようやく腫瘍があることがわかり

もしも悪性だったら・・・とその間は針のむしろに座っているような日々でした。

2月に摘出手術をし、2月末に退院しました。

幸い子どもは一年生になり、元気に通っております。

小児病棟で生活してみて、本当に世の中を見る目が変わりました。

それまでの私は子どもは元気が当たり前だと思っていました。

病院は完全看護とはいわれますが、とても看護師さんの数はたりません。

子どもが心配で私と夫は交代で病室に寝泊まりさせてもらいました。

しかし付き添いが寝るベッドはありません。折りたたみのパイプ椅子に座ったまま

寝ました。

入院中はきょうだいのことも心配です。当時3年生だった上の子は2月に体調を崩して胃腸炎

なりました。子どもながらに親が不在の生活に気を使い、気をはっていたんだと思います。

入院している子は不安で不安でしかたなく、「ずっとそばにいて」というし、私がトイレに行くときでも

不安な顔をしました。私は病気の子どものそばにつくことを優先しましたが、同室を見ますと仕事をして

いる方やきょうだいの世話があって24時間付き添えない方も多く、親がいないと泣いたり、寂しくて

ナースコールを何度も押したりして看護師さんに叱られた子がいたり。

でも看護師さんも気の毒です。忙しくて走りまわっておられます。

うちの子が入院した病院は短期の入院がほとんどで出入りがはげしく、私のように1カ月以上の人はあまり

いませんでした。

うちの子は食事制限があって断食のときがありました。

周りの子がおいしいものを食べているのをみていたたまれなくなったり、

私もイライラしたり、元気なときには想像もできないいろいろなことがありました。

骨折や薬で快復した子どもはプレイルームに出て遊べても、うちは点滴につながれて廊下にも出られなくて

そういうことも、とても複雑な気持ちになりました。

でも嬉しいこともありました。

私はプレイルームに出られない子どものために紙芝居を借りてきて病室でお話の読み聞かせをしました。

ママがいなくてさびしいって泣いていた子も、紙芝居をみているときは泣きやんで見てくれて、私もそれを見て楽しかったです。たった、2分、3分の時間でもとても楽しかったです。

「病気になってもいっぱい遊びたい」の本が私の体験と一致しました。

子どもと遊ぶって周りからみると簡単なことのように思いますが、でも実際にベッドから動けない子どものところにまで来て遊んでくれたり、話し相手になってくれたりそんなボランティアがあることに驚きながら、うちの子どもが入院した病棟にもこんなボランティアがあったらどんなにいいか、どんなに家族も助かるかと思いました。

今は子育て中の私ですが、それでも何かお手伝いできることってあるでしょうか?

今何かしないではいられない気持ちです。 39歳 母