病気になってもいっぱい遊びたい

私達は、病院で子どもと遊ぶボランティアです。退院してからも出会いの場を大切にしています。

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A君の平日訪問はこうして始まりました

2010年11月27日(土) ボランティアかわなみ(保育士)

今日初めてA君と遊びました。まだ入院して間もないということを坂上さんから聞いていました。A君のお部屋を訪ねて「こんにちは、遊びのボランティアです。遊びますか?」

すると「この人は誰かな」というお顔。だるそうに眼をつぶっていました。(今日は遊ぶ気分ではないかな~)と思いながらも、抱えてきたおもちゃをいくつか見せて「このおもちゃどう、こっちにもあるのよ。どれか、やってみない?」と聞いてみました。すると少し時間はかかったものの、遊ぶ気が起きたようです。おもちゃをみながら「これな~に?これやりたい」と言って意思表示。だんだんに遊びにのってきました。子どもと遊んでいる時にお母さんから平日訪問の事を聞かれました。「看護師さんから平日もボランティアさんに来ていただけると聞いてパンフレットをいただきました」。「平日もご希望ですか??」と伺うと「長くなりそうなのでお願いしたいです。坂上さんという方とお話出来ますか?」と聞かれたので「後で伝えておきます」とお伝えしました。そして、私も学生の頃、平日に訪問した経験をお伝えしました。

すると大人の会話を聞いていたA君が家族の事や私の仕事の話を聞いて「ボランティアさんは保育園の先生なの?」と聞かれました。私は保育士ですが勤務するのは小児病棟なので(別の病院の)病院の保育士の仕事はA君の通っている幼稚園とはちょっと違いますが、仕事のことも子どもにわかりやすくお話してあげました。

この日、最初に遊んだのはメモリーカードです。最初は遊び方がわからりませんが、だんだんに理解してきて、A君が勝つと「もう1回やろう!」と意欲を出して繰り返し遊びました。

「次はお姉さんの番」「次はママ」とリードしたり、私が「このカードはどこだっけな~」と言うと「ここだよ」と親切に教えてくれました。こうして段々笑顔が増えて楽しくなってきたようで「もっと遊びたい!」と言ってくれるようになりました。お母さんも「よかったね~」と何度もおっしゃってくださいました。

途中、坂上さんがいらして持ってきてくれたビーズにも興味を示しました。まだ4歳です。小さなビーズが通せるかな?と思っていたらスラスラ糸に通して、その表情は真剣。「誰かにあげるの?」と聞くと「○○ちゃん…ママにもあげる」と言って一生懸命作っています。お昼ご飯がきても「もっと遊びたい!」と言ってくれました。「また遊ぼうね!ビーズできたら見せてね」と言って退室しました。

途中何回か「おしっこ」、その度にお母さんの介助が必要です。その都度遊びが中断され、ボランティアにお母さんがその度「すみません」とおっしゃっていただいて、気を遣っていただきました。

今は夜、お父さんと交代して、お母さんは朝9時~夜9時まで付きっきりとのことでした。日中、ずっとこの個室で子どもに付き添っておられるお母さんには、ボランティアの平日の介入の必要性を強く感じました。今日は初対面にも関わらずA君もお母さんも溶け込んでくれて3人で笑いの絶えない1時間半を過ごすことができました。4歳で集中して細かいビーズができることに感心しました。最初はぐったりしていた子どもが見違えるほど元気になったのをみて、遊びの力はすごいなぁと感じました。 記録  かわなみ

A君の平日訪問の様子もおいおい紹介します コーディネーター坂上