命日訪問ーあかねちゃん
2012年7月20日 木 11時~14時半。
訪問先 あかねちゃんち
訪問者 村上さん 堀江さん 事務局坂上
あかねちゃんを囲んで語り合うお母さんたち
「来週はあかねちゃんの命日。ご都合を聞いて、お花をもってお訪ねしましょう」。
この日は村上さんと堀江さんと坂上3人であかねちゃん宅にいきました。西武池袋線のローカルな駅。
村上さんが赤い蘭の花を選んでくれて、あかねちゃんの写真の前に置きました。あかねちゃんはひまわりやたくさんの花に囲まれていました。
ママが「あかねは3年生の夏休みの直前に脳腫瘍が分かって…」と入院の経緯を語って下さいました。
村上さんが「うちも3年生で、脳腫瘍の中でも難しい膠芽腫で、最初に医師から余命1年といわれたんで…」
堀江さんは「うちは悪性リンパ腫、東京では治療が難しいっていわれて大阪に転院したんですけど」…とそれぞれの闘病の話になりました。
3人はそれぞれ別の病院で闘病。お子さんが亡くなってしばらくたってガラガラドンで出会いました。
村上さんが「院内学級が何より楽しみで、これ通知表なんです。」
「すごいね、欠席0だって」
「はい、10か月の入院中、一度も学校を休まなかったんで。家に帰ったときも病院の学校に行っていいですか?って聞いたら、どうぞ、どうぞ、って言われて自宅から病院の学校に通ったの。ガラガラドンに来たら病院に学校がなくて、びっくり。それに院内学級の先生がやっているようなことをボランティアたちがやっていて、子どもの入院環境の違いにもびっくりしちゃったんです」
「亡くなってからよ、不思議なことがよく起こるのよ、息子からいっぱいメッセージが届くの」と堀江さん。
ときに涙しながら、子どもたちのがんばり、楽しかった、苦しかった、ママたちの思いが語られました。。
この日はあかねちゃんのビデオを見せてもらいました。
「これは最後の入院の前、新潟の行ったときの撮影。あかねが『雪の無い、いわっぱらが見たい』といったんで、出かける日の朝も息が苦しいと言うんで『どうする?やめる?』って聞いたら『行ける』って。車がないんで新幹線で向かって。イチゴ狩りしたり、大好きなカエルを手にのせたり、ギリギリまで遊び尽くしたというか。」「最後の1カ月は自宅で過ごしたんだけど、友達がお見舞いに来てくれてね、前のようなあかねではないけれどって、びっくりしないでねって伝えて、それでもお友達がたくさん来てくれて、みんなに親切にされて、可愛がっていただいてありがたかったです。」
ビデオは夏のスキー場、緑の高原で車いすのあかねちゃんがハイジのように笑っていました。イチゴ狩り体験も楽しそう。旅館のご主人が自宅で育てているいちご畑にご案内。大きな洗面器を抱えていちご探し。「おいしい。おいしい」って採りたてをほうばっているあかねちゃん。「この翌週、気管切開をして一ヶ月半後に亡くなった、新潟行きは奇跡の2日間だったの」とママの言葉。あかねちゃんは2年の闘病をへて5年生で天国に行きました。
あかねちゃんには今、高校生のお姉ちゃんがいます。この日は学校から帰って来て途中から同席。「将来は作業療法士になりたい、あかねのような子どもの力になりたい」とのことでした。
村上さんも息子さん、ふみくんのアルバムとDVDを見せてくれました。葬儀屋さんが写真をDVDに作成して葬儀のときに流してくれたものだそうです。ママやパパ、おばあちゃんにだっこされたふみくん、幼稚園の園服、小学校の入学式、お祭り、みこしの上にのったはっぴ姿のふみくんは鼻をちょっと膨らませて得意げなお顔。病院ではたくさんの友達に囲まれていました。BGMは小田和正さんの「たしかなこと」♪。
堀江さんは、「まだ息子の映像は見られないの」
ガラガラドンにはお子さんを亡くされたママが4人いらっしゃいます。ガラガラドン歴は村上さん2009年5月に、あかねちゃんママ2010年5月に、堀江さん2011年12月。このほか、Mさん。
我が子の闘病体験から今入院している子どもの幸せのために働きたいとおっしゃって見えました。
活動を通して出会ったママたちがお互いの子どもの命日に自宅を訪問しあう、これは当事者間のピアカウンセリングに(自然に)なっていることを思いました。村上さんのDVDに流れていた小田和正さんのメロディ「たしかなこと」心に染みました。
記録 さかうえかずこ (保育士・社会福祉士)
小田和正さん「たしかなこと」より一部抜粋‐
♪君にまだ 言葉にして
伝えてないことがあるんだ
それは ずっと出あった日から
君を愛しているということ
君は空を見てるか
風の音を聞いてるか
もう二度とこゝへは戾れない
でもそれを哀しいと
決して思わないで
いちばん大切なことは
特別なことではなく
ありふれた日々の中で 君を
今の氣持ちのまゝで
見つめていること
忘れないで どんな時も
きっとそばにいるから
そのために僕らは この場所で
同じ風に吹かれて
同じ時を生きてるんだ
どんな時も
きっとそばにいるから