病気になってもいっぱい遊びたい

私達は、病院で子どもと遊ぶボランティアです。退院してからも出会いの場を大切にしています。

過去のブログはこちら

小児科医からの電話相談 泣いている子をどうにかしたい

9月某日、午後小児科医から電話がありました。

{%病院webry%}Dr 「遊びのボランティアをいれたい相談です。うちは△床程度の小さな病院で、いつもボランティアを必要とする患者さんがいるわけではないんですが、急性期の小さいお子さんの場合、親がつきそえなかったりすると、声をからして一日泣いているということもあって、親が付き添えればいいんですが…、心を痛めている現状があります。遊びのボランティアさんがいたらいいなあと思ってお電話しました。

坂上 今遊びのボランティアに来て欲しい子どもがいるということですか?それとも遊びのボランティアを病棟に組織的にいれたいということでしょうか?

{%病院webry%}Dr 「組織で来ていただいても、ボランティアにいつもいて欲しいわけではないんです。たとえば今日は来て欲しいけど、退院したらもういいし、必要なときとそうでないときがあって、そこも難しいんですが―。長い入院の子には訪問教育の先生に来てもらうとかしてますが、小さい子にはそれもないし。うちの病院はプレイルームはありますが、保育士はいません。

坂上 そうですか。親ごさんがいなくて不安になっている小さい子どもさん、病院だと気晴らしに外にも出してやれないし、それをボランティアで補うっていうのは厳しいと思うんですね。せめて2,3日親ごさんに仕事を休んでいただくとか、付き添い代わりが必要なら、有償のベビーシッターさん、区でやっている子育て支援のファミリーサポートを利用するとか。

{%病院webry%}Dr 「そういうサービスもあるんですね。それと病棟に遊びのボランティアをいれるといっても難しいと思うんです。誰か指導してくれないとできません。うちの病院にはプレイルームはあるんですが、プレイルームにどんなおもちゃをおけばいいのかとか、おもちゃを置いてもなくしたり、ちらかったり、そういうおもちゃ選びや管理も私がやっているんですがわからないままにやっています。ときどき遊びの行事は○○社会協議会などにお願いして来ていただいていますが、それも私がやっています。

坂上 「お医者さんが保育士の仕事やボランティアコーディネーターまでなさるなんて大変ですね。病棟に遊びのボランティアを導入されたい場合はぜひ、お手伝いさせてください」

この後、ドクターは病棟で検討してみますということで一旦電話がきられました。

私たちの活動でも似たような光景を見ます。最近のボランティア調査では年間50回の土曜日、遊ぶ前に泣いていた子どもは56人、このうち55人が遊んでもらって泣きやみました。一人は泣き寝入りでした。この数をみても病気の子どもの心の安定に遊びはたいへんな効果がわかります。しかしボランティアの疲労も考え、遊びの時間を90分と区切っています。この点、海外では親が付き添えない小さな子にGP(グランドペアレント)がいるといいます。退職した近所のおばあちゃん、おじいちゃんが孫をみるように、病児に付き添う制度があると聞いています。遊びのボランティアも、GPみたいなボランティアがいてもいいんだろうか?しかし腰を痛めないかしら?などと心配したり…。この日は安易に「ボランティアに任せて下さい」とは言えませんでした。現場で医師たちが、子どもの涙に心を痛めながの訴えに、どうしたものか、この数日このことを考えています。 

事務局 坂上和子(保育士・社会福祉士