病気になってもいっぱい遊びたい

私達は、病院で子どもと遊ぶボランティアです。退院してからも出会いの場を大切にしています。

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白血病の坊やに付き添うママへのアロマセラピー

2013年7日(水) 時間午後14:00~15:30 

訪問対象 (1歳9カ月)坊やへの訪問。

訪問ボランティア さとこさん(学生・保育士) さとう(アロマセラピスト)

{%海水浴deka%}今日ご紹介するのは白血病ダウン症の坊やです。入院は今年1月でした。もう7ヶ月がすぎました。これまで毎週土曜日と平日水曜に定期的に訪問、これで44回目の訪問になりますが付き添いのお母さんたちを身近にみていますと大変だなあと思います。病室で24時間付き添っていますが地方出身のため、近所に祖父母はおりません。パパもお仕事で地方に勤務されていますので付き添いを交代してくれる人がいません。そういう孤軍奮闘のママにこの日はアロマセラピストの佐藤さんが来てくれました。ママがマッサージを受けている間、学生のさとこさんが遊び相手をしています。こんな支え合えがあったらお母さん、少しは楽になることでしょう。 コーディネーター さかうえ

{%女の子ロングdeka%}8月3日の土曜日、ガラガラドンの日に退院が近いということを伺いました。それでおうちでママが坊やに出来るマッサージを教えてさしあげたいと訪問しました。私はアロマセラピストですが、一方で小児タッチケアといって、自閉症、脳性まひなどのお子さんのタッチケアセラピストの認定資格ももっております。ダウン症のお子さんは、一般に口元の筋肉が緩いので、その周辺の筋力を鍛えるマッサージの方法や嚥下を促す方法をお伝えしました。それで帰るつもりでしたが、ママがお疲れのご様子だったので、「軽くマッサージしましょうか?もしお出かけになるのでしたが、どうぞお出かけ下さい。マッサージとお出かけ、どちらでも。」と伺いますと「マッサージをしてもらいたいです」とのことでした。

肩に手をかけるとカチカチです。「主人にしてもらうときはいつも指が入らないって言うんです。万年肩こりなんですよ。病院にいるから運動不足もあると思いますけど。」とおっしゃっていました。この硬さでは、身体がつらいだろうなと思いました。マッサージをしながらいろいろおしゃべりしました。「昨日はあまり寝れませんでした。普段はこの簡易ベッドに寝ています。7ヶ月も病院で生活しています。1歳の子を置いて一人家に帰って寝れないですし・・・」

私もなぜガラガラドンでボランティア活動をしているのか、動機などをお話しながらマッサージをつづけました。これだけ硬いと触ると痛いはずなのですが、「痛くないですか?」と聞いても、「痛くないです。」と言われます。凝り過ぎて痛みを感じないようでした。頭皮もマッサージしましたがとても硬くなっていました。笑顔をたやさないママですが、かなりストレスがたまっているような硬さでした。坊やはさとこさんと遊びながらも、時々ママのほうをみていました。そしてにこ~っと笑っていました。腕をほぐすと肩もほぐれます。今度は腕をマッサージ。腕も「え?うそ?」と感じるほどにカチカチでした。左は少ししたらやわらかくなったのですが、右は指先までジンジン響くと言うほど硬かったです。10分や15分では、この手ごわい凝りは充分にほぐせませんが、それでも肩回りや腕は最初に比べるとずいぶんやわらかくなりました。「はぁっ。ずいぶん楽になりました。ママ、マッサージしてもらって、元気になったよぉ。」と坊やに向かっておっしゃったお顔は、たしかに明るく見えました。身体と心は密接に関係しています。身体が疲れているとやる気も出ないのですが、身体がほぐれると、やる気も出てきます。マッサージは、触られることでオキシトシン(幸せホルモン)が増え、コルチゾール(ストレスホルモン)が下がることが科学的に証明されています。マッサージの意味はこれが一番大きいと私は思っています。今の坊やは、好中球が下がったどころか、ゼロになったということでした。それでママも外出の機会がへり、個室にこもりっきりになってしまったと伺いました。退院も、少し延びるかもしれない、そんなママの心痛が身体に出ているのではないかと思いました。私が帰った後、ママは「今日は中華にしようかなあ、モスバーガーにしようかなぁ。」と言いながらお出かけになったと後でさとこさんに聞きました。すこしはお元気になられたようで嬉しかったです。アロマセラピスト 佐藤みどり

{%女の子ブラウンdeka%}今日最初のおもちゃはアンパンマンのキーボード。大好きなアンパンマンの音楽を流して身体を揺らしてノリノリ!! 前後や上下に身体を動かしては、「みてみて」と言わんばかりの表情でママの方を見る坊やでした。私はママに褒められてにこーっと笑う坊やの姿を見て、ママに見てもらって褒めてもらうことが坊やにとっての喜びであるということを改めて実感しました。上手に玉を離せるようになった玉おとし遊びも得意げに披露する坊や!坊やとママとボランティアの拍手で病室が温かい雰囲気になりました。マッサージが終わるとお母様は「身体が軽くなった」とおっしゃって、病院の外へ昼食を食べに外出されました。坊やはというと……大好きないたずら遊び!!!私のマスクを引っ張ったらポイッ。髪の毛を引っ張ったら離さない。坊やは、私が「痛い痛い、だめだめ」と首を横に振る仕草を見て“くくく”と笑い、首を横に振る仕草を真似っこして楽しんでいました。いたずら坊や、次はどんないたずらを覚えるのでしょう?(笑)

次会う時までに、坊やの好中球が上がりますように…

日本女子大学家政学部児童学科4年(保育士)ボランティア さとこ