病気になってもいっぱい遊びたい

私達は、病院で子どもと遊ぶボランティアです。退院してからも出会いの場を大切にしています。

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2歳の女の子と遊んで

2014年 4月12日 13時半~16時半 福田 (会社員)

2歳の女の子と遊びました。私が病室に入った時、女の子は付添いのお母さんと一緒にベッドの上で楽しそうに遊んでいました。

「お母さんと楽しく遊んでいるのにボランティアは必要なのかな?」

部屋に入った時はそんな風に思っていました。

しばらくお母さんと三人で遊び、女の子が私に慣れて来たところで私はお母さんに話しかけてみました。

「お母さん。お昼は食べましたか?」

付添いのお母さんはお昼を食べていないことが多いのです。

そのお母さんはお昼ごはんは食べたそうですが入院して一週間も経つとおっしゃっておられました。疲れているのではないかと思い、「お子さんが慣れてきたみたいなので、ちょっと休憩しに行ってはいかがですか?」と言うと「えぇ~行っていいのですか?」とお母さんの顔が急に明るくなりました。

「ここは病院で安全ですし、何かあったらすぐにナースコールしますので安心して下さい」と伝えるとお母さんは嬉しそうに病室を出ていきました。

嬉しそうなお母さんと対照的に女の子は遊びの手を止めてお母さんの後ろ姿を寂しそうに見ていました。

私は女の子が寂しさを感じないよう、いろんな遊びを考えて女の子と遊びました。

しばらくするとお母さんが外出から戻ってきました。

カーテンの向こうからお母さんの声が聞こえると女の子はとても嬉しそうでした。「やっぱりお母さんにはかなわないなぁ。ママが帰ってきて本当に嬉しそう。」

ボランティアがどんなに頑張ってもやっぱりママがいいのですね。

二人で遊んでいる時に女の子ができるようになった遊びをお母さんと三人でしていると、

お母さんがポツリと私に「この子は遊ぶ時にこんな表情をするのですね。初めて見ました。」とつぶやきました。普段は家事で手がいっぱいで子供が遊ぶところをこんな風に見たことがなかったそうです。

我が子の新しい一面を見てお母さんは本当に嬉しそうでした。

ボランティア終了の時間になり、おもちゃを片付け、「今日は遊んでくれてありがとうね。」と女の子にお礼を言うとお母さんが「こちらこそありがとうございました。楽しかったね」とお母さんが言い、女の子は「うん!」と大きくうなづいてくれました。

お母さんがいなくなって寂しがっていたその子が楽しかったと言ってくれて嬉しかったです。

病室を出る時もお母さんが女の子を抱っこして二人でにこにこ笑いながら私の後ろ姿に手を振ってくれていました。

病室に入った時はこの親子にはボランティアは必要ないと思いましたが親子の笑顔を見てこの親子にもボランティアが必要だったのだなと感じました。

仲良し親子を担当させていただいてこちらまで幸せな気持ちになれた一日でした。