病気になってもいっぱい遊びたい

私達は、病院で子どもと遊ぶボランティアです。退院してからも出会いの場を大切にしています。

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退院した子どもからのお手紙

遊びのボランティアさん ありがとう   K・K(19歳)

 僕は高校1年のときに白血病になって、化学療法や骨髄移植を受け、2年7ヵ月入院していました。今年8月にようやく退院することが出来ました。最初は、16歳に遊びのボランティアなど、必要ないと、思っていました。日本地図のパズルをしながら、大学生ボランティアと話をしたりしましたが、ぎこちない会話でした。多分、ボランティアの人も、やりにくかったと思います。

 いつからか、木村君がよく来てくれるようになりました。最初はオセロとか、ゲームをやってました。木村君とは息が合いました。サッカーの同じチームが好きで、いろんな選手の話とかもしました。ある時、木村君に「将棋、出来る?」と聞かれ、僕はまったく将棋をしらなかったので、いちから将棋を教えてもらいました。何回かやるうちに将棋のルールを覚え、ようやく対戦が出来るようになりました。でも負けっぱなしでした。将棋をしているときは、二人とも、静かになります。点滴がなくなり、看護師さんに「手を動かさないで!!」と言われ、心の中で軽く切れました。「手、動かさなきゃ、出来ないじゃん」と。看護師さんからしたら、メーワクな話ですけど。

 木村君がニュージーランドに行くと聞き、ショックでもあり、楽しんできて欲しいとも思いました。このときに「どこに泊まるの?もし宿がなったらどうするの?」とか、たくさん質問したのを覚えています。3ヵ月は長いなと思いました。3ヵ月後、木村君が帰ってきて、ニュージーランドの話やお土産をもらい、いろいろ話をしました。因みにお土産のコップは愛用しています。

 話はぐ~んんと飛びますが…。土曜日の午前だけでなく、水曜日の夜、19時から20時半くらいまでボランティアさんが来てくれるようになりました。最初は木村君とコーディネーターの坂上さんでしたが、やがて伊藤君、岡部さんも加わりました。いつも水曜が楽しみでした。着替えを早く済ませ、夕ごはんを食べ、皆さんが来るのを待ちに待っていました。トランプは大貧民やポーカーが盛り上がり、人生ゲームをしたり、4,5人でいろんな遊びをしました。誕生日もボランティアさんたちに祝ってもらいました。

 遊んでいるときは、少しだけ「病気になっても良かった」と思える時間でした。最初は、ボランティアって、と思っていたけど、退院した今ではかけがえのないものだったと思います。長い間、ありがとうございました。