病気になってもいっぱい遊びたい

私達は、病院で子どもと遊ぶボランティアです。退院してからも出会いの場を大切にしています。

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子どもの臨床セミナーに参加して

2010年3月6日、子どもの臨床セミナー(ボランティアの学習会)が開催されました。

今年度はこれが3回目。

テーマは「高度医療の小児看護の現場から」

国立国際医療センター小児科病棟の看護師長さんと副看護師長さん、お二人からパワーポイントを使って医療現場の現状をお聞きしました。

 最初に副師長さんから、患者さんに直接関わる立場から、小児医療の最前線のお話を伺いました。

強く感じたのは、まず、小児の救命に直接関わる責任感とやりがい、そして、看護師としての誇りです。

日々進歩していく医療技術を身に付けるため、看護師は休日や睡眠時間を削って研修をしています。多くの方がご存じのように看護師は3交代制で不眠の看護シフトを敷いています。特に夜勤を挟んでの勤務は時間があれば少しでも睡眠をとって、体調を整えて勤務したいでしょう。その貴重な睡眠時間を削ってでも、医療の最先端技術を学ぼうとする情熱に頭が下がりました。

一方で激務と多忙に追われ、日勤では一人の看護師が4人から7人を担当されるとか。それでは子供達の心のケアまで十分に関わりたくても関われないでしょうし、医療ミスに対する大きな不安を抱えていることも感じました。

私たちの活動が少しでも患者さんたちの精神的な支えになると共に、看護師さんのジレンマを少しでも軽減できるようにしていきたいと決意も新たにしました。

続いて、師長さんのお話。医療の現状を数字で示していただきました。勤務医の過酷な勤務状況の現実に愕然としました。また、多様化していく患者さんや社会のニーズ、報道により深く傷つき心折れそうになる医療関係者の現状も浮き彫りになりました。

しかし、「それでも救いたい命がある!」と仕事に立ち向かう医師の次元の高いプライドに、胸が熱くなりました。

小児医療の特質は、患者さんの生命に関することだけではなく、成長にも直接関わっているという点にあります。多くの医療関係者が子供達の成長や心のケアにもっと関わりたい、と考えていても、複雑高度化する医療の現場では、治療優先にならざるを得ないのが現状です。

私たち遊びのボランティア活動が担うものは、別の視点から見れば、医療関係者と志を同じくするものであることに気付かされ、有意義な2時間でした。

講義の後、参加者からの質疑応答が交わされました。中心はボランティアたちでしたが、訪問学級の担任の先生も、休日返上して参加してくださいました。小児患者を支えたいという熱い思いに包まれた会場に温かな拍手が響き、子どもの臨床セミナーが終了しました。 (ボランティア・小学校教員 山本)