病気になってもいっぱい遊びたい

私達は、病院で子どもと遊ぶボランティアです。退院してからも出会いの場を大切にしています。

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7か月のあかちゃんと遊んで

2013年12月28日(土) 午後14時から15時半 F・E 40代

今日は7ヶ月の赤ちゃんと遊びました。

この赤ちゃんは付き添いの家族がいなく、看護師さんからぜひ遊んであげてくださいと言われました。

私はボランティアに入ってまだ1年未満。経験が浅く、自分には子どももいません。今まで担当した子どもは4、5歳児で比較的病状が安定して、遊びやすい女の子を担当させていただいていました。今日もそうだろうと思っていたところ思いがけず坂上さんから私が担当するようにという指示がありました。

「なんで私なんだろう?」

赤ちゃんを担当することは初めてで一瞬不安になりました。でも、頑張らなければ。

「赤ちゃんをみるのは初めてなので教えて下さい。」

今日のリーダーはIさんです。Iさんは別の病院で病棟保育士を仕事としている保育の専門家でもあります。Iさんにおもちゃを選んでもらい、病室にはいると 赤ちゃんは何かを訴えるように私たちを見ながら泣いていました。

「早く抱っこしてあげたい」 そう思いました。Iさんから病室でのベッドの上げ下げや赤ちゃんの接し方を教えていただきました。

ベッドの柵を下ろして赤ちゃんを抱っこすると 今まで大泣きしていた赤ちゃんが嘘のようにピタッと泣き止みました。

「よかった」

ベッドに持ってきたおもちゃを出すと音が鳴るおもちゃに興味を持ち遊び始めました。 しばらくおもちゃで遊んでいると看護師さんが吸入に見えました。

赤ちゃんは嫌がって吸入をさせてくれません。それで興味を示したおもちゃを見せながら、赤ちゃんの視界から吸入器が見えないように置くと嫌がらずに遊んでくれました。 無事、吸入も終わりました。ホッとしたのもつかの間赤ちゃんが突然動きを止め、ぐずり出しました。

「どうしたの?」

すぐに抱っこをしてあげるとピタっと泣きやみ、それからおもちゃで遊ぼうとしませんでした。

「この子は人のぬくもりを感じたいみたい。いっぱい抱っこしてあげよう。」

背中をトントンしながら、二人で窓の外の景色を見ていると赤ちゃんは「アワワワワ」とお話をしたり、私の着ているガウンに隠れて「いないいないばぁ」を始めてすっかりリラックスをしたようでした。

仲良しになり、あと10分で終わりというところで看護師さんが再び見えて今度は「包帯を交換したいので、そのまま、抱っこをしていて下さい」とお願いをされました。

包帯を巻きながら看護師さんが、「ボランティアはどうやってみつけたのですか?いろんな年代の方がいらっしゃって皆さん楽しそうですね。」

「ボランティアはインターネットでみつけました。実際にやって楽しいですけど人の子供を預かるので事故がないように、とても、注意しているのですよ。」 などと二人で話しました。包帯交換に飽きたのか、赤ちゃんがぐずり出したので看護師さんと二人で 「もうちょっとで終わるからね。」と声をかけ、音が鳴るとうもろこしのおもちゃを持たせると、カシャカシャと振って遊び出しました。

「音がするのですね。」 と看護師さん。

「おままごとの道具なんですけど、音がするのであかちゃん喜ぶんですよ。」

和やかに話をしているうちに包帯交換が終了しました。

「ありがとうございました。」と看護師さんからお礼を言われたときはとても嬉しかったです。

包帯交換が終わるとボランティア終了の時間になっていました。片付けて部屋を出ないとまりません。 看護師さんにボランティアの終わる時間であることを伝え、赤ちゃんをベッドに寝かせると 「うわーん」 と泣き出されました。

思わずまた抱っこをすると看護師さんが 、「泣いても大丈夫ですよ。私が見ますから」と声をかけて下さいました。

「えいっ」と決心して「ごめんね」と何度も声をかけ、すばやく柵をあげ、点滴の管が下敷きになっていないかチェックをし、おもちゃを片付けて部屋を出ました。

小児病棟には様々な理由で一人で病室にいる子供達がいます。

子供達は大人の事情が分かるはずがない。 7か月という小さなあかちゃんはなんでママがいないのか、なんて理解できずに寂しくて泣いていました。 そんな子供達が私たちボランティアが来ている間は楽しく遊ぶことができます。そして付き添いの家族の方は私たちボランティアが訪問している間に少しだけ休憩をすることが出来ます。 こんな現実があるrことをボランティアに参加して初めて知りました。

私は半年前にNPOの代表の坂上さんに「何も経験がないけど子供が好きなのでボランティアに参加させて下さい」とお願いしました。

実際に現場に来ると、ボランティアの皆さんは子育て経験があり、保育園や病院の保育士など現役の専門家の方々もいて、私でも出来るのだろうか?と不安でした。

でも、毎回、先輩達が丁寧に指導をして下さるので今まで無事に、楽しく活動を続けることが出来ています。

今回、はじめての赤ちゃんの担当も無事に活動ができたのもリーダーのIさんが何度も部屋を見回って私に細かく注意をして下さったおかげです。3人部屋だったので、隣のベッドのご家族に遊び声が大きくないか確認したり、おもちゃの補充をしてくれました。

だから看護師さんからの「ありがとう」は私にだけではなく、フォローしてくださった皆さんすべてにいただけたお礼の言葉だと思っています。

みなさんに助けていただきながら、私も遊びの力をつけて、これからもたくさんの子供達に笑顔を届けたいと思います。