病気になってもいっぱい遊びたい

私達は、病院で子どもと遊ぶボランティアです。退院してからも出会いの場を大切にしています。

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お母さん食堂2018年四月から本格的スタート

4月7日土曜 

認定NPO法人 病気の子ども支援ネットの新事業「お母さん食堂」のオープンの日でした。
今後、毎週土曜日に事務所を開放して、入院中のお子さんの付き添いをしているお母さん方に温かい食事を提供します。
食堂はお弁当作りを手伝って下さるボランティアさんと代表の坂上さんが腕をふるいます。

付き添いのお子さんから離れられなくて、事務所に来られないお母さんにはお弁当にして届けていますが、昨日はオープン初日なので、お届けはなしで事務所に来ていただくことにしました。
「初日、お母さん食堂来る?」とお誘いいただいて、行って来ました。

テーブルの上には、温かいご飯にお味噌汁、たっぷりサラダ付きの熱々コロッケ、ゴボウのきんぴら、ひじき、切り干し大根等の小鉢が並んでいました。
ひゃ~!うちだとこんな品数いっぱいのお昼なんて食べないわ(≧∇≦)品数いっぱいで、外の定食屋さんで食べるランチのよう♡
コロッケなんて、めったに家で作らないなあ。手作りコロッケなんていつぶりだろう(๑˃̵ᴗ˂̵)
元々お料理上手の坂上さんの作るご飯は、どれもとてもおいしいのです。
あったかいご飯はもちろんのこと、付き添いのお母さんの辛さを理解してくれる存在は、本当にありがたいと思います。

昨日の利用者さんはお一人だけ。
お子さんが腎臓の疾患で入院されているお母さんでした。未就学児には必ず親が付き添わなければいけないことになっているそうで、そのお母さんも片時もお子さんのそばを離れることなくずっと病院に缶詰になっているそうです。

子どもが腎臓病で塩分制限をされているので、お母さんもお子さんの前では食事が出来ないこと、お子さんは食事やおやつの時間には好きなものが食べられなくてしょんぼりして下を向いてしまうこと、あまり言わない子だけどもっのすごくストレスが溜まっているとわかって、でも上手に解消させてあげることが出来なくて辛いということ、ストレスのせいか子どもが「頭が痛い」というようになってきたこと、お母さんは「これ以上は食べられないよ」とか「薬を飲みなさい」という役割なので、子どもにとってはイヤなことをする立場になっているかもしれないという不安、ダメというばかりでなくなんとか別の物で子どもが食べられるものを提供できないか医師と相談したこと、検査のMRIやCTは空いた時間に入れてもらうので時間がわからなくてお母さんたちも病院を離れることが出来ないこと、いろいろいろいろ入院中のお子さんもお母さんも、抱えるストレスは相当なものです。
ほんのわずかな時間でも、そんなお母さんに息抜きの時間を提供したいことと、ご飯を食べながら付き添いしているお母さん同士で交流を図って欲しいというのが、お母さん食堂のねらいです。

自分のご飯はいつも適当にパパッと済ませるというお母さんは「ホント、普段は生野菜とか食べられなくて。私、野菜大好きなので、こんなにたくさん野菜があって、本当に嬉しいです。売ってるご飯はどれも味が濃くて、この薄味のご飯だとホッとします。ありがとうございます。」と、とても感激されていました。
コーヒーがお好きだからと、食後はコーヒーも用意されていました。

私は午後にガラガラドンの活動があるため先に事務所を坂上さんより先にf:id:asovo:20180408160811j:imagef:id:asovo:20180408160829j:image出ましたが、温かい食事をいただいて、いっぱいしゃべって、好きなコーヒーを飲んで、それだけでもお母さんのストレスは少しは軽減されたことでしょう。

実は私も子どもの頃は腎臓が悪くて、入退院を繰り返していました。
私自身は痛くも痒くもなく元気だと思っていて、全然深刻にも捉えていなかったので、食事制限や運動制限をされたのはすごく不満でした。(幸い奇跡的に完治しました)
未就学の子どもに、それを理解して食べる物も我慢しなさいっていうのは無理な話しだよねって思いますが、病気を治すためにそれをさせなければならないお母さんの葛藤も同じ親として理解できます。
子どももお母さんもそれぞれに辛いですよね・・・

病院の中や外で病気と闘っている親子に、いろいろな方法で負担を軽く出来る手立てが考えられる世の中になっていって欲しいです。
私もお子さんへのタッチケアやお母さんへのマッサージで、微力ながら出来ることはたくさんあるなあとお話しを伺いながら考えていました。

今後、お母さん食堂がお母さんたちが安心して立ち寄れる心のよりどころになって行きますようにと願ってやみません。ボランティア佐藤みどり