病気になってもいっぱい遊びたい

私達は、病院で子どもと遊ぶボランティアです。退院してからも出会いの場を大切にしています。

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ハウスグランマ事業「夏休みの自由研究油絵に挑戦!」

2010年8月15日(日) 11時~15:00

この日は在宅の子があつまってみんなで夏休みの宿題をしました。

参加の子どもは小学3年のかず君、4年のゆきちゃん、5年のあやちゃん、3人とも通院治療中。

きっかけは、「夏休みの宿題、みんなで集まってやりたい!なあ」とゆきちゃん。

「ふ~ん、でもみんなが集まったら、遊んじゃって、宿題なんか出来ないんじゃないの?」

「でも、なんか会いたい」

伊豆高原で一泊旅行をしたあと、子どもたちはお互いに会いたがっていた。

だったらと、事務所で夏休みの自由研究。油絵を描くことに。

指導は造形教室を長年やってこられたボランティアのイクコさん。

イクコさん曰く「みんな、今日は病院とは違うわよ、生ぬるいこと、いいませんからね。キチンと仕上げて学校に持って行きましょう。小学生が油絵をすることはほとんどないけど、いい経験です。今日は自分の好きなものを3つ選んでそれをキャンパスに描きます。好きな果物か野菜。出来たら、その3つは色がはっきりしていて、違うものがいいです」

「私ニンジンが好きだから、ニンジン描きたい」

「ニンジンばっかり、3本はだめです」

「なすとかピーマンとかも好き~」

「じゃあ、まず買い物にいきましょう」

「色をまぜて作るってむずかしいね」

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個性的な力強い絵が完成 

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描き終わって「かず君、どうだった?初めての油絵」

「絵、描きたくてきたんじゃないから、絵なんかどうでもいいって思ってたけど、けっこう面白かった」

「何が面白かった?」

「・・・」

「自分が描いたものでどれが一番好き?(レモンとスイカときゅうり)」

「スイカ、種の色が黒だけじゃなくて、肌いろとかもあったし、きゅうりのぼつぼつしたとこも難しっかったけど描けた」

それぞれが初めての油絵挑戦に大満足。

2時半にお迎えにきたお母さんやお父さん、その出来栄えにびっくり。

事務所は親子の集いの場としても利用されます。「ハウスグランマ事業」のひとつ。

子ども3人はかつて病院で闘病した仲間で白血病ネフローゼなど。あやちゃんは2歳から、かずくんは幼稚園のときから、ゆきちゃんは去年から、それぞれが病院と縁がきれず、今も通院したりときどき入院。

イクコさんはこれまで毎月2回病院で子どもに絵を教えてきたボランティア。入院中はこの子たちといろんなことがありました。

子ども「今日、ズイチュウしたから起きられないの」

イクコ「寝たまままで描けるようにしてあげる」

医者「この薬飲んだら絵を描いていいよ」

子ども「薬飲めない、オエッて吐いちゃう」

イクコ「飲めるまで待っててあげる」

イクコさんは闘病中のこの子たちのがんばりをを知っていました。

今は点滴もついていないし、髪の毛もはえてきて、元気にみえる。でも学校では体育が見学だったり、プールが禁止だったり、制約もあり、これからも強く生きていかなければなりません。

退院後もこうして集まって、みんなでソーメンをたべたりお母さんからの差し入れの梨とブドウをたべたり、夏休みの宿題をしあったり、こんな時間が明日を生きる力につながることでしょう。こうして集まる場があるって、いいなあ、ワンルームの小さなマンションですがすばらしい場です。昼ごはん係のりさちゃんボランティア、ソーメンをゆでたり、買い物にいって裏方を支えてくれてお疲れ様です。   (坂)