病気になってもいっぱい遊びたい

私達は、病院で子どもと遊ぶボランティアです。退院してからも出会いの場を大切にしています。

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子どもと遊んで 「遊びの効果」

2014年7月19日(土曜) 遊びのボランティア活動 14:00~15:30 

今日は入院4日目の4才男児と大部屋で遊びました。母親は家の用事を済ますために帰宅しており、ボランティアが入った時は、看護師に吸入をしてもらっているところでした。

机にはトッキュウジャーのおもちゃや塗り絵、スタンプラリーの台紙があり、年齢相応の興味を持っているお子さんだと見受けました。

ボランティアが来たので、看護師はいなくなり、男児と二人になりました。

初めにトミカを見せたところ触って遊ぼうとしていましたが、吸入器を自分で持ちながらでは遊びにくそうだったので、机で遊べるパズルをすることにしました。よく集中して遊び、全部できたので、次はトミカのお出掛けマップを広げて遊ぶことにしました。そこに母親が戻ってきました。

一人にしてたので、とても心配していたそうです。駅からは走ってきたとのこと。しかし、男児が楽しそうに遊んでいるのを見て、とても安心したと言っていました。口数が少なく、感情もあまり出さないお子さんのようでしたが、この遊びは男児の好きな遊びなので喜んで遊んでいると、母親は嬉しそうでした。

男児は母親が来ても感情を露に喜ぶことはしませんでしたが、少し口数が多くなったことから、嬉しいのだろうと推測しました。間もなく、看護師による鼻水の吸引が始まりました。遊びは中断。どうやら、男児は嫌いな処置のようですが、日頃も母親が仕事で不在の時に、一人で頑張っているようです。「ママ!パパ!」と必ず言って泣いているけど、やれるようになったと看護師が母親に話していました。その時は母親に抱っこされての処置で、「ママ!パパ!」とやはり泣いていました。しかし、吸引後は直ぐに泣き止んだのを見て看護師が、「今日はあとに引きずらない、慣れたんですね」と言っていました。それを聞いて、私は、そうではなく、大好きな母親に抱っこされていたこと、直前まで遊んでいた大好きな車が目の前にあり、終わったら、また遊べるという楽しみがあったこと、その為に立ち直りが早かったのだと思いました。

私はホスピタル・プレイ・スペシャリス(HPS)の資格を取得する為の勉強において、処置をする子どもは、母親などの安心できる人が側にいて、気に入った遊びが側にあれば、例え泣いていたとしても、その後の立ち直りが早いと学びました。今日の男児はまさにそれだったのではないかと感じました。この日は大部屋だったので、やはり、男児の隣に鼻水の吸引をされて大泣きした2歳くらいの子どもがいました。その子は親の付き添がいませんでしたが、ボランティアが「がんばっているね、終わったらこのおもちゃで遊ぶからね」とおもちゃを見せてそばで励ましていると、処置が終わるとすぐに泣き止んでおもちゃに手を伸ばし、笑顔で遊び始めていました。

入院している子どもにとって遊びは、退屈な入院を楽しくしてくれるだけでなく、嫌な治療、心にトラウマを残すような怖さを和らげる力も与えてくれます。病気の子どもたちには遊びが側にあることには大きな意味があるのです。遊びのボランティアもそこに繋がる大切な活動です。これこらも一人一人出会ったお子さんとの遊びを大切にしていきたいです。

米中  保育園勤務 (保育士・HPS)