病気になってもいっぱい遊びたい

私達は、病院で子どもと遊ぶボランティアです。退院してからも出会いの場を大切にしています。

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“ガラガラドン”1日体験の声 沖縄より

“ガラガラドン”を体験して

2015年7月4日(土曜)11時~16時半

沖縄県立南部医療センター・こども医療センターボランティア “ ぷれぱ” 田中浩美

都営線若松河田駅を下車して徒歩1分。“ガラガラドン”の事務局を訪問。マンションの一室でボランテイアの方が作業をしている所におじゃまして、代表の坂上和子さんとお話をしました。お忙しい中、坂上さんが三人分のお昼ご飯を作って下さり、私までごちそうになりました。三人で団らんしている所へ学生さん二人が来訪。ガラガラドンの活動の希望者ということで一緒に説明を聞きました。それから徒歩5分ほどで国立国際医療研究センター(小児病棟は27床)に移動。

この日は私を含め、9名のボランテイアが訪問しました。ボランテイア室は、机と椅子があり、相談室と兼用になっています。そこにボランティア専用のおもちゃ棚が2台あり、おもちゃは赤ちゃんから大人まで遊べるおもちゃが、ぎっしりありました。

ボランティアの手順はまず、エプロン・マスク・名札を付けます。それから、ナースセンターに移動して手洗いをします。週リーダーは看護師さんから遊べる子どもの情報を得ます。

たとえば、プレイルームに来る子、病室に入って欲しい子、遊びに必要な性別や年齢も情報を得ます。

ガラガラドンには、週ごとに坂上さんのほか、週リーダーが3人います。その週リーダーたちがボランテイアの配置を決めます。たとえば、長期入院の子どもだと前に遊んだ経験の有無などをみて配置していました。この日はプレイルームに三人のボランティアが配置され、後は個室にボランティアが配置されました。代表の週リーダー子どもにつかず、病棟を巡回しておもちゃを補ったり、うまく遊べているかをみて回ります。

私はプレイルームと個室の双方に参加させていただきました。プレイルームでは最初は親子二組と幼児が二人いました。点滴台をつけている子ども同士がボール遊びをしたので、点滴に気をつけて一緒に遊びました。その後、長期入院の10代の女の子の個室に入りました。2人のボランテイアが入って、トランプなどのカードゲームをしたり、ビーズでブレスレットを作ったりしていました。私も加わり、3人でおしゃべりしながら手を動かして楽しい時間でした。終了時間には、週リーダーさんが「後5分で、お片付けです」と終わりの時間を告げに来て、片付けもスムーズにできました。

活動が終わったあとは、ボランテイア室で、振り返りの時間をもちます。活動の記録は遊んだ子ども一人ずつを記録しています。そして気づいたこと、ヒヤリとしたこと、困ったこと、嬉しかったことなど意見を出し合っていました。その他、長く入院している子どもには、家族あてに、ハガキ1枚程度の遊びの記録を渡していました。それは、ボランティアの時間に家族が外出したり、病室にいなかったりするので、家族に安心していただくために渡しているということでした。この報告は複写をして看護師さんにも渡されます。また、この振り返りの時間に「ボランテイア活動の心得」を読み合いました。ここには、遊びのボランティアの役割、ベッドの上げ下げに関する注意、ボランティアの倫理なども記載され、安全で信頼を得て活動するための基本を確認し合っていました。

私は東京新宿区の高度医療の小児病棟で遊びのボランティア活動がで25年続いているということを聞いて、かねてからその現場を見たいと思っていました。たまたま上京する機会があり、坂上さんに1日体験をお願いしました。実際、ボランティアがプレイルームだけでなく、小児がんなど難しい病気の子どもものベッドサイドに入っていることに驚きました。なぜ、それが出来るのかを考えた時、長年の活動の信頼と、坂上さんがコーディネーター役も果たされているからだと思いました。

国立国際医療研究センターにはボランティアコーディネーターはいません。新宿区の訪問保育士だった坂上さんがボランティアを立ち上げ、コーディネーターの役割を担ってきた歴史があります。たくさんのおもちゃも、ボランティアたちが寄付や助成金で揃えたということです。この間にベテランのボランテイアが育ち、週リーダーとして、コーディネーターの役割を学び、新人への教育も徹底されています。

坂上さんとお話しする中で感じたのは気さくなお人柄と活動への情熱です。「何かあったらいつでも連絡してね、沖縄にも病棟ボランティアを広げてね」とおっしゃり、心強く感じました。また、活動の中で遊びの内容や安全面への配慮など、長年継続されて引き継がれている事を素晴らしいと思いました。

初めて訪問した私に貴重な時間を下さり、ありがとうございました。

{%拍手webry%}田中さん、沖縄からはるばる、ようこそおいで下さいました。田中さんは元保育園で働いておられた保育士さんです。活動先の南部医療センター・こども医療センターでは、近いうちに平日だけでなく、土曜日にも、病棟における遊びのボランティアを導入することになるそうです。田中さんのように子どもの成長発達に詳しい方が病棟でそのスキルをボランティアとして提供してくださることは、病院にとっても心強いパートナーであると思いました。ガラガラドンのシステムがみなさまの活動の参考になりましたら幸いです。

ボランティアコーディネーター坂上和子(保育士・社会福祉士 )