病気になってもいっぱい遊びたい

私達は、病院で子どもと遊ぶボランティアです。退院してからも出会いの場を大切にしています。

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お母さん食堂

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2018年10月13日(土曜)
お母さん食堂(東京女子医大小児病棟)
4人の方から注文がありました。
2人のママと二人のパパから。
今日は「まいど!」野菜たっぷりの天丼です。
パパが「おお、うまそう!」と喜んでくれました。
仕事休みの日に付き添いするパパたちにも「お母さん食堂」は喜ばれてます。

2018年 9月のお母さん食堂

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9月のお母さん食堂は30人の方が利用されました。
(毎週土曜・火曜) 

9月1日(土)4人
9月4日(火)1人
9月7日(土)5人
9月11日(火)2人
9月15日(土)4人
9月18日(火)1人
9月22日(土)6人
9月25日(火)1人
9月29日(土)6人

9/29の今日は栗ご飯です。

皮むきがんばりました!
卵焼きは桜えびと青のり味、煮豆とほうれん草の和え物も添えました。
付き添いパパママの健康をいのりつつ

2018年9月のガラガラドン

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f:id:asovo:20180929134253j:image国立国際医療研究センター小児病棟で
毎週1時半~4時半に活動
遊びの時間は2時から3時半
9月1日 ボランティア9人 遊んだ子ども10 人
9月8日 ボランティア6人 遊んだ子ども4 人
9月15日  ボランティア9人 遊んだ子ども8 人
9月22日 ボランティア6人 遊んだ子ども6人
第五土曜休み
9月は4回 病院に通ってボランティア延べ30人が子ども延べ28人と遊びました。

シスターの訃報


f:id:asovo:20180921193420j:imagef:id:asovo:20180921193425j:image「木村シスターが今朝亡くなりました。今日通夜、明日午後1時半から星美ホーム聖堂で告別式があります。お忙しいと思いますが、お知らせ致します。」昨日突然のメール。同窓生からでした。  

 
告別式に行きました。木村シスターは棺の中で眠っていました。笑みを浮かべて。
小さな聖堂にたくさんの同窓生が集まりました。平日にもかかわらず。
児童養護施設を卒業してかれこれ50年になります。当時、初めて出会ったシスターたち。

施設内に同じ服を着たペンギンたちにびっくりしました当時私はまだ10歳、小学五年生でした。今64歳になりましたが。
世の中の仕組みがこの歳でわかりましたよ。
慈善を必要とする人たちは社会にたくさんいるけど、1人では決して解決出来ないこと。組織で対応するってこと。

私は今npoを立ち上げて病気の子どもを応援する活動をしています。それってシスターの影響です。

シスターに出会えて人生が変わりました。シスターをとてもとても尊敬しています。木村シスター、安らかにお眠りください。

認定npo法人病気の子ども支援ネット遊びのボランティア坂上(旧姓佐々木)和子

日本臨床医療福祉学会発表

f:id:asovo:20180916000527j:image日本臨床医療福祉学会発表内容。2018.09.07

テーマ:高度医療の病院に入院する子どもに付き添う家族のための「お母さん食堂」の取り組み
【はじめに】高度医療の小児病棟には遠方からも難病の子どもが治療を受けにくる。子どもに食事は出るが、付き添う家族には無い。そうした親たちへNPOが病院と家族と連携をとりながら療養環境の改善を考える。
【目的】付き添いの家族が安価で栄養のバランスのとれた食事をすることにより疲労を回復し、ストレスを軽減し、心身の健康増進を目的とする
【方法】
実施時期:2018年1月から毎週1回
実施場所:NPOの事務所

料金:100〜200円
方法:申し込時にアンケートを実施、途中でヒアリングも行った。アンケート項目は入院日、自宅の最寄り駅、子どもの病名、年齢、きょうだいの有無(年齢と人数)、付き添いの時間、交替の有無、食事の方法を記述してもらった。
【結果】2月から4月までの3か月を抽出した。その結果10名の申し込みがあった。3か月間で食堂をあけたのは25日、延べ63人が利用した。月平均でいえば8回、延べ21名が利用した。このうち、食堂に来たのは延べ8人で55人は弁当配達を望んだ。ボランティアは注文数によって1人から5人が調理配達にあたった。
付き添いは全員母親で24時間付き添っていた。そのうち、週末付き添いを交替してくれる人がいたのは5名であった。1週間のうち、付き添いに食事を誰からも運んでもらえない人は6人いた。日々の食事は院内の売店、近くのスーパーかコンビニで食品を購入していた。住居は病院のある新宿区民人は1人もおらず、東京都内は6人、神奈川埼玉千葉などの他県からは4人いた。きょうだいがいたのは7家族だった。子どもの年齢は18歳が1名。小学生2名、小学生以下が7名で、全体の4割は1歳児だった。病名は脳腫瘍が5割、そのほか心臓病や腎臓病等である。入院期間は半年以上が4人いてそのうち二人は1年以上だった。
【考察】 
「お母さん食堂」は食堂を利用する者と配達を望む者、二つに分かれた。食堂の利用者の声としては「しゃべりができてストレスが軽減できた」「友達が出来た」「病院以外の人と話が出来るのが嬉しい」「子どもの前で食べられないのでここがあってよかった」。そのほか、全体として「栄養がある」「旬の食材が嬉しい」「安価が嬉しい」「食欲が出た」「子どもの病状が悪くなって食べ物を受付ないとき、私用に流動食を作って運んでもらったことに感激した」「遠くの親戚より近くの他人」などとあり、食事の支援に対する緊急性から食堂の回数を途中から増やした。また病院には湯を沸かす程度の簡単な調理は出来る環境ではあるが、電子レンジは1台で待つことが多いので、あきらめてカロリーメイトを食べている、大部屋なので匂いのするものは食べられない、食事に興味はもてない、という親もいた。
【結論】病気のこどもに付き添う家族に対して、「お母さん食堂」はストレスを軽減し、心身の健康の増進となった。
【まとめ】高度医療の病院で付き添いに食事を通して支援する活動はこれまでになかった新しい取り組みである。この活動は寄付と助成金を頼っているが、近所のボランティアで料理好きな主婦でも支えやすくコストはさほどかからない。台所を備える場所があれば、どこでも可能と考える。宿泊施設などがある子ども病院でもこうした取り組みの広がりを期待している。

✳️報告後の感想
食堂が病院から徒歩2.3分のところにあるのに、ここまで食べに来れない親のゆとりのなさ。10人中4人が半年以上もおり、さらにこの中で一年以上が2人もいたことに深刻さを感じた。病気の重さ、こどもから離れられず、かと言って近所に知り合いもおらず、孤独な付き添いが孤軍奮闘していることが調査から伺えた。この活動を始める前は病院の近くにスーパーもあり、適当に食べているのだと思っていたが、長くなる親への付き添いへの支援の重要性を痛感。

保育園みたいな病院

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2018年9月15日(土)ガラガラドン
ボランティア9人 遊んだ子ども10人
✈️個室2人
🚌プレイルーム8人

ナースセンターに行くと「この子たちが待っていました~」と看護師さん。
3人の坊やがバギーに乗っていました。
付き添いがいないので、看護師さんの目の届くところでおりこうにして待ってくれていました。
「待っててね~~今おてて洗ってエプロンつけるからね」
ボランティアが付添のいないお子さんを預かるときは、担当を決めて子どもから目を離さないが原則です。幸い3人とも点滴がついていないので、それぞれにベテランママのボランティアがつきました。
プレイルームで遊んでいると、次々やってきたのはママに抱っこの赤ちゃんたち。
「今日は赤ちゃんが多いのねえ」数えてみたら8人も!!
4歳と5歳のほかは赤ちゃんでした。
それぞれにボランティアがつくので親子まじえて20人ほどがプレイルームに。
紙飛行機を飛ばす、カーテンでいないいないばあをする、カタカタを押す、パズルをする、ままごとやぽぽちゃんのバギーを押して歩く子なと、好きなところで自由に遊んでいます。

「ちょっとこの子みてて貰ってトイレ行っていいですか?」
「ご飯まだ食べてないので、食べてきていいですか?
「どうぞどうぞ3:30までいますから」
子どもが遊びを真似したり、ママもお友達が出来たり、「まるで保育園の中に病院があるみたい」。
「この病院はとてもいい病院ですね」とお母さんがニコニコして言いました。

日本臨床医療福祉学会に参加して

f:id:asovo:20180908141935j:image2018.9.07 「日本臨床医療福祉学会」@オリンピック記念青少年総合センターに出席しました。
「病気の子ども支援ネット 遊びのボランティア(通称ガラガラドン)」の坂上和子代表がお母さん食堂についての発表をされたので、聴きに行きました。

坂上さんの発表された内容はこちら↓

お母さん食堂を利用されたお母さん方の声がのった通信を資料として配り、それを見ながらの発表でした。

「この4月から毎週土曜日に始めたお母さん食堂は、24時間病院で付き添っているご家族に心を込めた食事を提供しています。時には平日にもお届けすることもあります。

お母さん方にほんのわずかな息抜きの時間として、温かい食事とおしゃべりの時間を提供する目的で始めましたが、実際にはお子さんのそばを離れることが出来ず、病院からわずか5分のところにある事務所までですら来ることが出来ないお母さんがほとんどです。そうした方には、せめて手作りの食事をと思い、お弁当にして届けています。

地域の子どもは社会が子どもを支えますが、入院すると社会の子育て支援が届かないのです。
新宿区の子ども食堂は区から助成金が出ますが、NPOだと対象が新宿区以外のお子さんも居るため自治体から助成金は出ません。
企業や会員の寄付も厳しい中で少しでもお母さんたちの状況の救いになるようにと、赤字覚悟で取り組んでいる事業です。
この事例を皆で共有して、こうした取り組みが全国に広がるといいと望みます。」

 

司会のドクターから、「両親へのサービスというのは最先端の取り組みだと思う」とコメントがあり、「どのように周知していったのか」という質問がありました。

「病院のソーシャルワーカーの方に頼んで、お母さん食堂のポスターを貼ってもらいましたが、期間が決まっているのか?しばらくするとはがされてしまいます。『お母さん食堂』のことを広めてくれたのは、その病院にも遊びのボランティアの方たちが居て、その方たちが病棟のお母さんたちにクチコミで広めてくれました。

社会の側に病院を応援する支援があっても、つなげてくれる人が居ないと広まらないことが、難しい点だと思います。」

坂上代表の発表は1番最後で、時間が押していたなか、予定の時間の半分しか発表の時間がなくなり、それはすごく残念でした。

けれども、ドクターがたくさん参加されている学会で、我がNPOの取り組みを知ってもらえたことは、貴重な機会だったと思います。

私は遊び部門にのみ関わっていて、食堂部門は坂上代表を中心に、また別のメンバーの方が支えて下さっています。

24時間お子さんのベッドのそばで過ごし、社会から切り離された生活を送られている付き添いのご家族に、少しでも社会との関わりを感じられる温かい時間が訪れるように、なんらかの制度が出来ないものかとモヤモヤしますが、手作りの温かい食事はその第一歩として、大きな心の支えとなっていることは間違いないようです。

報告  ガラガラドン週リーダー 佐藤みどり